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C.W.Dixey&Son | シー ダブリュー ディキシー アンド サン 知られざるその歴史について〈後編〉

現存する最古の眼鏡製造メーカーとして挙げられるブランドC.W.Dixey&Son(シー ダブリュー ディキシー アンド サン)。230年以上にわたる長い歴史を知ることで、このブランドの魅力に迫った前回では、誕生から20世紀中盤までをお話しました。今回は、第二次世界大戦から、現代に至るまでをお伝え致します。

<前編>はこちら

【偉大なる英国首相との関わり】

1940年、ドイツによってフランスが陥落したことにより、いよいよイギリスも開戦の時をむかえます。周辺国がドイツ衛星国となり、イギリス本土でも度重なる空襲に見舞われます。その影響は、ロンドン市街のニューボンドストリートにて163年間も居を構えていたC.W.Dixey&Sonも受けることとなり、郊外への転居を余儀なくされました。

このような国難の状況の中心で活躍した人物こそウィンストン・チャーチルです。多くの犠牲をはらいつつも、イギリスを戦勝国に導いた彼は、英国首相である傍ら小説作家であり、また趣味は絵画等多才でありました。そのようなチャーチルに対し約50年間にも渡ってメガネを作り続けたのも同ブランドでした。現行のモデル”Chartwell(チャートウェル)1″は、まさに彼が使用していたモデルであり、そのテンプルエンドにある2点のドットは、大戦の最中である1944年9月にチャーチル自らが考案しました。また、この品番名はチャーチルが壮年期に過ごした邸宅の名称でもあります。

【良きものを知る英国作家との関わり】

また作家として50年代に活躍した007シリーズの生みの親イアン・フレミングも、関わりのあるその一人でした。上流階級に生まれ育った彼は、美食家であり嗜好品を知りつくしていました。それは、作中の主人公ジェームズ・ボンドの華麗なるスタイルや嗜好からも見てとれます。ボンドのスーツは、サヴィル・ロウやアンソニー・シンクレア、ワイシャツは、ターンブル&アッサー。車は、ベントレー、アストンマーチン…。英国の良きモノを知るイアン・フレミングであるからこそ、CWの眼鏡が彼に選ばれたはずです。

【創業200年を越えて】

1978年、創業から200年を迎えたC.W.Dixey&Sonは、ノーフォーク伯爵夫人グレースより、その功績を讃えられ、コートオブアームズ(紋章)を授与されました。この紋章にある盾には2羽の鷹と2匹の蛾が描かれ、紋章は眼鏡を掛けたコブラ、バッジ部には孔雀の羽が配されており、同ブランドの標語である”真実を見る”ことを現しています。

21世紀をこえ、眼鏡は数多のブランドが誕生し、多様化と進化と変遷を繰り返してきました。その中でもC.W.Dixey&Sonは、激動の時代の中で一流の人々に愛された歴史という、圧倒的な厚みをもつ孤高のブランドといえます。”良き眼鏡”としての格式と趣きに敬意をはらい、このブランドを取り使えることを誇りとして、お客様にご提案させて頂きます。

【C.W. Dixey & Son | C.W ディキシー アンド サン】 オンラインストア商品ページはこちらから